「外国人技能実習生が寄せる思い」

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「外国人技能実習生が寄せる思い」

アイム・ジャパンでは毎年作文コンクールを開催しており、今回で第23回となりました。
今回は、決まったテーマではなく、各々思い思いのことを自筆で自由につづることがお題でした。

今回は、見事最優秀賞に選ばれた技能実習生と特にユニークな視点で作文を書き上げた技能実習生の2名をご紹介いたします。

モフ トリック マウラナ

作品名:「厳しいルールは何のため」
2019年8月1日入国、現在技能実習3年目
国籍:インドネシア
受け入れ企業:吉南 株式会社
職種名:工業包装
趣味:バレーボール
将来の夢:通訳

作文コンクール最優秀賞おめでとうございます!
言葉で言い表せないほどうれしいです。

テレビで見た日本にあこがれて・・・
私は、子供の時、優れた技術がある先進国 日本のことをテレビで知り興味を持ちました。
アイム・ジャパンの技能実習プログラムに応募をして現在は工業包装の実習をしています。
担当はパレコン(パレット梱包)です。

仕事は楽しいですが大変な日もあります。仕事はルールが厳しいので問題について考えすぎてしまうこともあります。私は今、技能実習3年目ですが、もう2年つづけ、技能実習3号で修了しようと思っています。

作文の字が綺麗!たくさん練習して・・・?
いえいえ、特に書く練習はそんなにしないです。(笑)
毎週火曜日、仕事が終わってからボランティアの先生が会社に来て、1時間半程度教えてくれます。授業はとても楽しいですが、私の仕事は3交代なので授業に参加できない週もあります。
だから文法や漢字の本を会社のロッカーに入れていて休み時間に勉強をしています。
そして、わからない時は日本人にきいて覚える努力をしています。

毎日の積み重ねが大事!
毎日文法や漢字の本を30分くらい、少しずつ勉強しています。昨日は漢字の勉強をして「行儀」という言葉を覚えました。
今はN3に合格しており、先月(2021年12月)の日本語能力試験でN2を受けました。
N2は特に漢字が難しく、なかなか覚えなられないので日々覚える努力をしています。
日本に来たときはN5も持っていなかったので毎日少しずつがんばって努力しています。

将来の夢のために
将来は通訳になりたいです。そのために会話の練習もしています。
会社の人ともよくしゃべるようにしています。

スピーチコンテストで優秀賞受賞

2021年12月19日に開催された、山口県のスピーチコンテスト(日本国際連合協会山口県本部主催)に出場して優秀賞を受賞することができました。
「混ざり合う生活」というテーマについて話しました。
山口県はまだ外国人に慣れていない人が多く、多言語や文化が混ざり合う生活はまだまだ普通じゃないと感じました。外国人もあまりいません。だから外国人と会うことや話す「混ざり合う生活」を楽しんでほしくて、そのことについてスピーチしました。

モフさんのスピーチ音声データはこちら

*一部音声が乱れている箇所がございます。ご了承ください。

レ ティ スアン カイン

作品名:「自分への手紙」
2020年12月2日入国、現在技能実習4年目
国籍:ベトナム
受け入れ企業:株式会社 ヌカベ
職種名:プラスチック成形
趣味:アニメ、音楽鑑賞
将来の夢:通訳

自分への手紙を書いたのは…
私はもう28歳です。将来のことを考えるととても不安ですが、頑張ったら乗り越えられない障害はないと思います。だからそんな自分自身を応援するために、この手紙を書きました。

日本に来て…
私は実習生として日本に来て、プラスチック射出成形の仕事をしています。
最初は、仕事が難しかったですが、先輩に教えてもらっていて、今は後輩に仕事を教えています。

一人暮らしで家族と離れていますから、寂しいと思ったときもありました。
日本人の友達はあまりいませんが、そんなときは、同じ会社で日本人の親しい人と話します。いつも応援してくれます。
ホームシックになったときもありますが、家族に連絡をしたりしてなんとかがんばりました。

日本を満喫

5人くらいで会社の人に富士山に連れて行ってもらいました。
そのとき、富士山の近くの湖から富士山の景色を見ました。
とてもきれいでしたが、日本はどこでもきれいだと思います。
他には草津の温泉にも行きました。
家族にお金を送って、旅行も行くこともできましたから日本に来てよかったです。
いろいろな経験ができました。

そして次の目標へ
私は大学で内装のデザイン設計の勉強をしていました。材料がどのくらいかかるか等、値段の計算をしたりもしていましたが、今はそのとき勉強した知識を使っていません。

今は目標が変わりました。将来は、日本の会社で通訳の仕事がしたいと思います。だから日本人とたくさんコミュニケーションをとって会話の練習をしています。

日本に来たばかりの時は、私は何も資格を持っていませんでした。
でも毎日早く起きて、また会社から帰ってきたあとで日本語を勉強していました。
毎日3時間くらい勉強しました。特に漢字や読解を集中的に勉強しました。
分からないときは日本人に聞いて、分からなかった言葉をメモしたりしました。

技能実習生3年目のときに日本語能力試験N2に合格しました。
そのあとコロナが流行り、一時帰国して日本に戻るまで時間がありましたから勉強を続けました。
そして、先月(2021年12月)またN1の試験を受けました。まだ結果が分からないですが早く合格したいです。

まとめ

外国人は技能実習生に限らず、日本にいる留学生も就労生も、心細い思いをしている人がたくさんいるのではないかと思います。その心細さは海外に行ったことがある人なら分かるかもしれません。
ましてや言葉が通じなければその心細さは何倍にもなることでしょう。
日本人はシャイなので、知らない人に声をかけることはとても勇気がいることかもしれません。でも、街で困っていそうな人がいたら、温かく声をかける勇気を持つことが大切だと今回のインタビューを通じて改めて気付かされました。

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